■サトケンのメモ

サトケンの企業内研修の授業の板書や、掲示板への走り書き、などなど…コンテンツになりきらないけれど、そのまま消えてしまうのは惜しい原稿を記録していきます。
■beforeの用い方
(2004.5.23/掲示板より)

授業で、beforeに関する質問があり、ちょっとまとめてみました。以下に記します。

◆過去形と過去完了時制

When I arrived at the bus stop, the bus had already left.

現在時制よりも1つ前の時制は過去時制です。過去時制よりも1つ前の時制が過去完了時制です。
上の文は、arrivedと過去形になっているので、私がバス停に着いたのは過去です。
私がバス停に着いた過去の時点にはすでにバスは出ていたので、had leftと過去完了時制になっています。過去時制よりも前の時制は過去完了時制です。

◆副詞と接続詞のbeforeの使い方

(1) before「以前に」(副詞)
過去・過去完了・現在完了の時制のとき使う。

 She didn’t want to rent the video, because she (   ) it before.
 (A) has seen (B) was seeing (C) had seen (D) saw

 訳「彼女はそのビデオを借りませんでした。なぜなら以前見たことがあったからです」

「借りたくなかった」(didn’t want to rent) のが過去のことで、その過去の時点よりも前に(before)「見たことがあった」ということなので、過去の前の時制である過去完了時制の(C)が正解。

 I (   ) the movie once before.
 (A) seeing (B) have seen (C) saw (D) see

 訳「以前、その映画を見たことがあります」

以前その映画を見たという経験が現在あると考え、現在完了時制(経験)を表す(B)を選ぶ。

 I told him about my father before.

 訳「以前父のことを彼に話した」

「お父さんのことを彼に話した」という過去の出来事を述べている。

(2) before「~(する)よりも前に」(接続詞)
接続詞の後には〈主語+動詞〉がくる。

 I (   ) at the head office before I was transferred to the branch office.
 (A) worked (B) will work (C) works (D) have worked

 訳「支店に転勤になる前は本社に勤務していました」

「本社で働いた」ことのほうが「支店に転勤になった」ことより前に起こった出来事なので、had workedとなるところですが、接続詞のbefore「~よりも前に」が「時の前後関係」を表していて、どちらが先に起こった出来事なのかわかるので過去形で表します。ただ、過去完了時制を用いることもできます。

 I will be back before you wake up tomorrow morning.

 訳「あなたが目を覚ます前に帰ります」

節とは〈主語+動詞〉からなる意味のまとまりで、文の一部を構成するもの。上の文はI will be backとbefore you wake up tomorrow morningの2つの節からなります。
「戻る」のがいつ戻るのかというのかというと、「あなたが明日の朝目を覚ます前」に「戻る」とあり、「戻る」という動詞を説明しているのでbefore you wake up tomorrow morningは副詞の役割をする副詞節です。
「あなたが目を覚ます」のは今ではなく明日の朝という未来のことなので、本来はwill wake upとなるところですが、「時・条件を表す副詞節の中では、未来のことは現在形で表す」のでwake upとなります。