吉ビジョンで就職活動を見る(3)



今回は、就職先がとりあえず確定した方のみへの、アドバイスです。 現在奮戦中、という方にはあんまり参考にならない話なので、、。 また、例によって長いです。くどいです。観念的で、説教臭いです。 「それでも、いいよ」という方だけ、読み進めて下さい。 じゃ、いってみよう!!

『テーマ:ライフイベント』
 就職活動、お疲れさまでした。きっと、僅か数ヶ月前からとは考えられないくらい、 成長した自分を感じていると思います。 初めての体験も、いっぱいしたことでしょう。 2.3社回っただけで以外に簡単に決まってしまった方or 軽く2.30社は受けてむちゃむちゃ大変だった方、 ほぼ計画通りに活動できた方or 当初の予定とは全然変わった方、 書類審査やペーパーテストがネックだった方or 面接それも最終でばかり落とされた方、友情のありがたさを知った方or 友達に裏切られた方、家族に助けられた方or家族がブレーキだった方、 いつもハイで元気だった方or体調を崩しまっくった方、etc...。 同じ"就職活動"というファクターに向かっているにも関わらず、 なぜこんなに違いが出るのでしょう? それは、、、また後で説明します。

 今回の就職活動は、おそらくほとんどの人にとって、 初めての"ライフイベント"(まるc=著作権=吉)だったと思います。 ライフイベントとは何か。日本語でいえば、 "転機"と"正念場"が混じったようなものでしょうか。 大きなものを挙げれば、"就職""結婚""離婚""子の誕生""家族の死""自らの死"などがこれにあたります。 小さなものも拾えば、"受験""恋人との出会いと別れ""大病""大きな買い物(家.車など)""大きな事故""転職""異動""引っ越し"etc... などでしょうか。大きい、小さい、という判断は個人差ですから、気にしないで下さい。 少ない人で2.3回、多い人では20回くらい、一生の間にライフイベントに出会うことになります。 全く体験しないで済む人は、絶対にいません。前触れがあるものもありますが、突然降りかかってくるものもあります。 2.3年程度のインターバルがある、ものもありますが、 油断していると意外に立て続けにおきるケースもままあります。  いずれにせよ、ライフイベントの際の判断は、その後の何年間かの人 生に大きな影響をもたらします。 、、、というか、

『ライフイベントは、人生の精算行為である』

ということができます。企業などでは、年度末や半期に一度、 決算や棚卸しがあり、そこで"締め"を行います。計画や予算は見直され、 給与や査定はたいていこれで決まったりします。
 露骨な言い方をすれば、親族やよほど親しい友人でない他人の評価は、 ライフイベントで決まります。それも、ライフイベントでの"課程"でなく、 "結果"で。名刺や肩書きで評価されてしまうのは、それが多くの場合ライフイベントの結果だからです。 ということは、

『ライフイベントをどう決着させるかで、人の評価は変わる』

といえるでしょう。悲しいかな、世間はそんなものです。

 さて、おそらく就職活動中、みなさんもこんな経験があるでしょう。 なぜか突然トラブルが連発する、という現象です。 「第1志望の会社に限って大事な書類を忘れてしまった」「先延ばしにしていた課題の提出を明日面接という日にやった」 「交際相手から親に会って下さいといわれた」。なぜ今日という日に限って、とか、 あと半年待ってくれればいいのに、というトラブルの数々。 神様に、「あんたオレにバチをあてたいのか?」と凄みたくなる程に。 そう、あたかも狙ったかのように、

『最大の不運と宿題は、ライフイベントの最中に襲ってくる』

のです。それが、ライフイベント=人生の精算行為、 という意味につながるワケです。
 そして、さらにここで、ブラック(人によってはラッキー)な事をいわせていただきます。 それは、

『ライフイベントのパターンは、繰り返される』

ということです。つまり、今回の就職活動中に、 「成功したこと、ラッキーだった出来事」はもちろんですが、 「もう二度と経験したくないこと」も、おそらくおきるでしょう、ということです。  就職活動中にクラスの友達に助けられた(裏切られた)人は、 次のライフイベントでも友達に助けられる(裏切られる)可能性があります。 親に援助してもらった(親と大げんかした)人は、次回も、、、、。 「おいおい、就職してしまったらクラス仲間とは別れ別れになるよ」とか、 「就職を機に、親と別居するぞ」という方、大丈夫(ご愁傷様)です。 新しくできた会社の友達が、クラスメートの変わりをしてくれるでしょう。 親のように尊敬する(苦手な)上司or大家が親の役割を果たしてくれるでしょう。

 ここまで書けば、先程、「同じ就職活動というファクターを体験したにも関わらず、 なぜ人によって経験が違うのか」が、解っていただけると思います。そう、

『ライフイベントの原因は、"あなた"にある』

からです。あなたが「非ライフイベント時=日常生活時」に行っている行為が、 じわじわと周りに影響を及ぼし、今回の結果をもたらしました。所詮は、

『全ての人は、自分の鏡』

だからです(ただし、平面鏡とは限らないところが、難しく、 また面白いところなのですが)。

 僕は、個人的にこう思っています。

『人は変わらない。そして、変われる』

 その人に染みついたパターンは、もう何年もそれでやってきましたから、 残念ながらおいそれとは変わりません。ついうっかりすると、 前回のライフイベントでした同じ失敗を、次もすることになります。 これが、”変わらない”という意味です。
 しかし、"自分がこんなミスをしがちである""周囲の人に、 こんな影響を与えてしまう人間だ"と知っていたとすれば、どうでしょう。 「結婚式の朝には、もう一度忘れ物がないかチェックする」。 「重要な日の数日前に、懸案事項は片づけておく」。 あるいは、今のうちに、家族に自分の意志表示をし、コンセンサスを取っておく。 これができれば、ひとは”変わる”ことが可能です。 簡単なことです。 簡単なことですが、ライフイベントという熱さが、喉元過ぎてしまうと、 「まあ、その時になればなんとかなるよ」と、思ってしまうんですよね、 これが(自戒を込めて言ってます)。

 ここでちょっと、僕の経験を書きます。 僕は、自分では、就職活動は「数を受けてうまくいった」と思っています。 そして、いくつか自分について解ったことがありました。 そのひとつは、"完璧100点満点"を出すことが不得手だということ。 だから今でも、「企画書を提出」なんて時は、必ず80点くらいのものを10本出すようにします。 100点のものを1本だけ出せる人をうらやましいとは思いますが、それは僕に向かないと知っているからです。 また、同時に複数の物事を動かす際は、なによりパニックを恐れます。 声を出して「落ち着け、俺!」と言い、簡単なことでもメモを取りまくります。 他にも色々ありますが、いずれも、ライフイベントでの痛い経験が、教えてくれたことです。

 さて、長々書いてしまいましたが、 全ては私の僅かな経験則に基づく"私見"でしかありません。 「そんな話は信じない」という方は、この駄文を忘れて下さい。 「ここに書かれてることなんか、とっくに知ってた」という方、すいません、 まだ僕はこんなところにいます。ただ、ここまで、結婚、子の誕生×2、 かなり大きめの買い物、を体験してきた僕は、このことに早めに気付いてよかったなぁ、、、 と思っています。これを読んでいる方の、参考になれば幸いです。
 長文につきあっていただいて、ありがとうございます。感想、掲示板にでも、 書いて下さい。んじゃ。


 おまけです。"ライフイベント"の話とは、ずれますが、、、

 人のキャラクターは、粘土の様に、 欠点だけを切り取ったりできるものではありません。 きれい好きの人が神経質であったり、大胆な人ががさつなのは、 ある程度やむを得ないことだと思います。であるならば、いっそ長所を思いっきり伸ばすというのはどうでしょう?
 その輝きのために、影さえ見えなくなる程の光る長所。少々いびつでも、そんな個性の方が、面白いと僕は思っています。 我が家の子育ては、そんな感じです。そして、"自分育て"も、これを意識しています。 僕が、一番好きなことを仕事に選んできたのは、こんなわけです。 いや、程度問題であるのは、もちろんですが。
では。



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