楽しい転職活動日記【期間限定】

第6回



2月27日(金)午後
ボスがお休みだったこともあって、会社の掲示板に 「外出:週刊アスキー15時戻り」と書き込んで、外に出た。

いつものように、ウチの社名の入った紙袋をもって出かけた。 さすがに、社名入りの紙袋をもって面接には行けないので、 相手の会社概要など書かれた資料だけ残して、荷物を渋谷駅にあるロッカーにぶちこんだ。

1時までには時間があったので、裸の資料を入れるブリーフケースを買うついでに ロフトに行って、店内の喫茶店でサンドイッチを食べた。 食べながら、これから行く会社の会社概要などに目を通す。

1時ちょうどに、会社に着く。
先日の受付嬢に挨拶をして、待合室へと行く。
20分以上待たされて、やっと、面接。
こっちも、仕事を抜け出して来たんだから、そんな悠長なことやってらんないのにぃ。 やるんなら、早くやってくれよぉお。

中では、先日の小太りのオジさんが待っていた。 この人が電話をくれた、大江さんらしい。 大江さん「わざわざ、お越し下さいましてありが…」今回の選考について話だす。

「前回は、販促・広報の職種で募集した時はですねぇ、 こちらとしては、ウチでかかえている全てのプロジェクトを統括するような人材を求めていたんですよ。 年齢にして、やはり35から40くらいの経験者を考えていたわけです。 ですから、残念ながら、まもるさんは選考からはずれてしまったわけです。」 ほほぉ。そーゆー訳かい。どーりで、オレ様が落とされたわけだ。 そーだよなぁ。ボクが落とされるわけないもんなぁ。

ここで、もう一人、部屋に入ってきて、大江さんの隣に座った。 年にして35くらいのカッチョいい中年男性。大江さんはかまわず、続ける 「で、先日のお手紙をお送りしたわけなんです。それで、普通は終わりなんですけれども、 ウチのプロデューサーの中に、一人、まもるさんに、一度会ってみたいというのがいまして…」

隣にいたダンディ男性「まもるさんは、毎コミの○○って方はご存じですか?」 突然、話題に出てきた毎コミの人はボクが良くしっているPC誌の編集担当者。 ダンディ続ける「その人と、先日、ちょっと話をする機会がありまして… たまたま、御社の話題になったんですよ。それで、 『そうゆえば、ウチの求人に○○の広報の方がきましたよぉ』なんて話したら、 その編集者は『まもるさんですか?』って言うぢゃありませんか。 ボクも受験者の履歴書を見ていただけだったんですが、確かそんな名前だったなぁと思って、 その人にマモルさんの事をいろいろ話を聞いたんですよ。 で、会社に帰って履歴書を見返すと、やっぱり、まもるさんだったんで、 ちょっと興味をもって、ご連絡したわけです。
まもるさん。若いのに、この業界では、かなり顔が広いようですね。」

ボクのプロモーターとしての実力を買ってくれて、採用を検討する気になったらしい。 よかったよぉ。いろんなところに潜り込んで、顔を売っておいてぇ。 こんな形で自分に跳ね返ってくるとは、思ってもみなかったぁ。 真面目に働いておくもんだなぁ。

しかし、今回の話には、問題点がいくつもあった。
まず第一に、ボクを見込んでくれたプロデューサーの方は、海外ゲームのローカライズも手がけることが多く、 仕事で英語が使えないとマズイらしい。英語なんて…
第二に、販促や広報担当として入社するのではなく、あくまでディレクターとして採用するとのこと。 制作陣は完全チーム制をとっていて、制作から販促まで一貫してチーム内で処理するそうだから、 ボクのプロモーターとしての職歴はムダにはならないけれども、メインの仕事が変わることへの抵抗がある。 第三に、これが一番、ひっかかっているんだけど、初年度は契約社員としての採用となるってこと。 この会社に限らず、「ゲーム業界ではあたりまえ」らしいが、今の正社員の身分を投げ捨てて、 不安定なゲーム業界のこれまた不安定な契約社員としての身分になるってのはねぇ…。
また、眠れない夜が続きそうだぁ。



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